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ォータージェット工法が採用される下水道施設の硫酸塩劣化

化学的侵食(特に硫酸塩劣化)

化学的侵食の代表例としては、

?温泉水、有機酸、動植物油による劣化
?化学工場や下水道朋連施設での酸性劣化ならびに硫酸塩劣化
?酸性土壌や硫酸塩土壌の作用による劣化
?酸性雨や酸性霧
が挙げられるが、ここではウォータージェット工法が採用される機会の多い、下水道施設の硫酸塩劣化について述べる。

下水設備での硫酸塩劣化のメカニズムは複雑で、一般には次のように説明されている。

①下水道管や終末処理場での水が滞留するような箇所で嫌気性状態になると、下水中に含まれる硫黄化合物が硫酸還元細菌により還元され、硫化水素が生成する。

②硫化水素は下水中のpH(7,…,8)ではガス化しやすく、簡単に気相中へ放散する。

③換気の十分できない施設では、これらの硫化水素は気中で濃縮され、コンクリート壁面の結露中に再溶解し、そこで好気性状態で硫黄酸化細菌により酸化され、硫酸が生成する。

④このように2段階で生物反応が進み、コンクリート表面で硫酸が濃縮されpHが低下し酸性度が高まると、コンクリートの主成分である水酸化カルシウムが硫酸と反応し硫酸カルシウムが生成する。

⑤硫酸カルシウムはさらにセメント硬化体中のアルミン酸三カルシウムと反応してエトリンガイトを生成する。エトリンガイトは生成の際、結合水を取り込み、大きく膨張する。この膨張作用により、コンクリートが崩壊する。

⑥さらにpHが低下すると、最終的にエトリンガイトは脆弱な二水石膏に変化する。

rekka

劣化メカニズムの概要